俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
ずっとこのままでいたい。そう願うほど、この時間がかけがえのないものだと思った。
一度拒否されたせいで意固地になっていた。そしてこの気持ちはーー。
「俺の負けだ、こはる」
「……?」
ぼそりと呟いた言葉に頭を傾げるこはる。
その後、腕から離れた彼女は楽しげな様子で花束を花瓶に移し変えていた。ピンク色のチューリップは俺とこはるの間の空気を温めたことに加え、二人で過ごすこの部屋自体も明るくしてくれる。
こはるの後ろ姿を見て、俺は口元を緩ませる。
観念しよう。そして潔く認めるしかない、
ーーーー俺はこはるのことを女として愛しているのだと。