俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 そんな中、私たちは現場への扉を開ける。まだ打ち合わせには誰も来ていない様子で、どうやら一番乗りのようだった。
 ふぅと小さく息をつき、持ってきていたペットボトルの水を口に含んでいると扉が開く気配がした。

 自然と背筋が伸び、そちらへ視線を向ける。するとーー。

「……あ」

 そこにはひさしぶりに直接みる顔ーー遠藤朝陽がマネージャーと共にいた。こちらに気づいた遠藤は目を大きく開け、スタスタとこちらへ足を向ける。その様子にたじろいでいる私に不意に話しかけてきた。

「久しぶり。元気にしてた?」

「……あ、うん。元気だよ。…………遠藤くんはどう?」

「俺もまあそこそこって感じかな。……ほんと、久しぶり……」

 どこか懐かしむような双眸に自然と笑いが溢れる。
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