俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「また時間があれば観に来て……って遠藤くん忙しいから難しいか」
「それは花宮も同じだろう? ルナトーンの広告から一気にテレビで観るようになったよな。びっくりした」
私は苦笑いをこぼす。
それもこれも夫である玲二のおかげではあったが、迂闊に口に出すことは憚られる。どこで誰が聞いているかわからないから、変な憶測でも経てば面倒なことになると玲二に言いくるめられているからだ。
「……これからよろしくね、遠藤くん。いっぱい勉強させてもらうね」
「ああ! こちらこそ、よろしく。芸能界の先輩として、いいところ見せなきゃな!」
そういって爽やかに微笑む。雑誌で見るような笑顔と変わりない姿は表裏のなさを伺わせ、彼はずっと変わらないんだと安心した。
ほっと一息ついていると、ぞくぞくと今回の映画に出演するキャスト陣が入室してきて。私はそれぞれに挨拶をしていたのだがーー。