俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 自分の気持ちがわからない。
 ならば分からないなりに行動するのが俺じゃないか。自分のしたいように生きるのが、俺の生き方だ。

「…………こはる」

 ぽつりと呟いた言葉は透明になって消えていく。そして獲物を狙う狩人のように目を細める。

 これは俺にとって一世一代の大博打。
 出たとこ勝負でいく所存だ。


 ーー今度は絶対に逃がさない。なんとしてでも、この手のなかに収めてやる。


 うじうじし続けるのは性に合わない。
 俺は口元に弧を浮かべ、ゆっくりと流れる時間に身を任せていた。
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