俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
どうして彼がここにいるのだろうか。
どこまで見て、聞いていたのか。
私は不倫なんてしていない。キスは遠藤の方からしてきたことで、私の気持ちはずっとあなたにある。
問いたいことや伝えたい言葉は多々あった。けれど、その言葉を遮るかのような言葉、全てを否定する瞳に臆した結果、唇を戦慄かせる事しかできなかった。
口では嫌味を言いながらも、玲二はいつも私のことを気遣ってくれていた。幼い頃からの付き合いだ。それくらいわかる。
けれど、今眼前にいる玲二の瞳にはその労りや慈しみの感情は一切なく。むしろ憎しみと怒りに支配されていた。
あまりの激情の奔流に衝撃を受ける私に変わって遠藤が口を開いた。
「違うんです! さっきは俺がーー」