俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
目を瞑ればこはると遠藤の口付けを思い出してしまう。そして怒りが湧き上がる。
苛立ち紛れにソファに拳を振り下ろすが、虚しくなるだけだった。怒りが少しずつ鎮火するに比例して、胸の痛みが激しくなっていった。
俺からのキスに驚いて頬を膨らませるこはる。
甘い夜に瞳を潤ませ切ない顔をするこはる。
そして、俺からの花束に満面の笑みで喜びを表すこはる。
脳裏に焼きついたように離れないこはるとの思い出が何度も繰り返され、胸を掻きむしりたくなる衝動が起きる。
「くそっ…………………こはる、どうして」
自然と口からこぼれ落ちる名前。誰もいない空間で、俺は一人呟く。
「どうして俺を愛してくれないんだ…………なあ、どうしてだ、こはる…………」