俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「で、こんな遅い時間に何のようだ? さっきはそのまま自宅へ帰ると電話口で言っていたはずだが」
「そうなんですが、少し頼まれごとをされまして」
「頼まれごと?」
反復した俺に頷きいた内山はスーツの懐から一通の手紙を取り出した。
「こちら、こはる様と共演されている遠藤朝陽さんから預かったものです」
「遠藤だと?」
「はい。なぜか非常に深刻そうな面持ちだったので無碍には出来ず。それに彼とこはる様は昔からの知り合いということでしたので、お受けした次第です」
内山の言葉は耳に入っていなかった。
ただ差し出された手紙を見た途端、苛立ちが込み上げてくる。