俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「……で? あんな手紙を送りつけてきて、一体どういうつもりだ? お前、自分の立場が分かってんのか?」

「もちろん。……あなたに逆らったら芸能界で生きていくことが出来なくなる可能性も鑑みてます。…………けれど、それ以上に大切なものがあるって気づいたんです」

「…………こはるか」

 俺の言葉に遠藤は肯定する。
 この男をここまで夢中にさせるこはるは魔性の女にのかもしれない。いや、本人の気質からいえばそんなつもりは微塵もないのだろうけど。

 遠藤は両手を前で組み、真面目な顔つきで尋ねてくる。

「手紙にも書かせていただいた通り、俺はあなたの本心が知りたいんです。こはるのことを大切にしてるのかどうかーー」

「どうしてお前にそんなことを話さなければならない?」

「それは…………俺が花宮のことを好きだからです。好きな女には幸せでいてもらいたいから」
< 239 / 291 >

この作品をシェア

pagetop