俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
ここまで真正面から才能を評価されることなど今まで一度もなかった。
まだ劇団スペードを貶されたことに対し憤懣なる感情を抱いてはいるが、玲二に悪気はないのだろう。この男は昔から自分に正直なだけなのだ。
玲二は席を立ち上がり、私の隣に立つ。そしてその長い指先で私の顎を掴み、自身に向けるように引き上げる。
図らずしも目線がかち合い、私は息を呑んだ。睥睨するかのような鋭い眼光は、まるで餌を前にした肉食獣のようで。
「どうだ、ここまで言って俺の提案を受け入れないっていうことはもちろんないよな?」