俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
玲二はこんなときでも不敵で蠱惑的だった。喉がからからと渇き、思わず唾を飲み込む。緊張感で背中に汗が流れ落ちるのがわかった。
私はただ眼前の男に圧倒されていた。
彼は生まれながらの王であり、王であることを求められてきているのだと痛感する。
それでも。
流されるように言いなりになることは何処か違うと思った。そんな人間にはなりたくないという反抗心が勝ったのかもしれない。
私は顎を掴んでいた玲二の手を掴み返し、振り払った。
一瞬驚いたような表情をしたが、すぐに愉快そうな面持ちへと変わる。その姿はどこか上機嫌のように感じられた。
腕を振り払われたのに喜ぶだなんて訳が分からない。