俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 部屋で準備を整えてていると突然インターフォンが鳴り、出てみれば黒いスーツでバッチリ決めた玲二が立っていた。
 そのまま腕を引っ張られて運転手付きの白い高級車に乗せられ、まるで抵抗するまもなく誘拐同然に連れ去られた。

「ああ、ちなみにいま運転してるのは俺の秘書兼、これからお前のマネージャーも務めてくれる内山だ。何かあればこいつにいえばいい」

 隣に寛いで座っている玲二が紹介すると、いかつい顔立ちをしている壮年の男性とバックミラー越しに目がかち合う。

「よろしくお願い致します」

「こ、こちらこそ……」

 軽く会釈をされ、私も恐る恐る挨拶し返した。鋭い目つきにこれは堅気の人間なのかという新たな疑問が浮かび上がる。けれど玲二に関することで踏み込みすぎるのもなんだか癪に触りむっつりと黙り込んだ。
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