俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 身を縮めながら玲二についていくと、周囲には様々なデザイン性のある家具が置かれている。机やベッド、食器棚などどれをとっても質の良さそうなものばかりだった。

「とりあえずこういうデザインのやつがいいとかあれば言え。俺の要望も含めて特注で発注するから」

「あっ、ここで直接買うんじゃないんですね」

 庶民派な私の中で家具屋はミトリやコインズのイメージが強かったため、玲二の言うことなすことに脳が追いつかなかった。
 たしかに私は大物女優と呼ばれてる女の娘ではあるが、母は基本的に倹約家で貧乏性なために贅沢することなどほとんどなかった。
 いわゆる一般家庭といわれる環境で育っていたのだ。

 まあそのため貧乏なアパート暮らしにも耐えうる心が育ったので、その辺りは感謝しなくてはいけないのだが。
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