俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 けれど玲二の身体から漂っているものだと考えるだけで、心臓がぎゅっと締め付けられる感覚を覚えてしまうのは私が男性慣れしてないからだろう。

 玲二にはああ言ったが、私はそこまでら経験を積んではいない。むしろ友だちの話を聞くと同年代の中では少ない方なのではと思わされるほどだ。

「い、いきなりなにを……」

「髪、いつもよりしっとりしてるな。適当に乾かしたな? それに石鹸の香りが濃い」

「…………っ」

 玲二は私の頭に顔を近づけ、後頭部を片手で押さえる。抱き込まれるような体勢になると、反抗心が徐々に萎びていく。

 どくどくと脈打つ鼓動が眼前の玲二にまで届いてしまいそうなほどで、狼狽していることにはすでに気づかれているだろう。

「すげぇ顔。赤くなりすぎ」

「そ、れは……」
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