俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
ゆっくりと唇同士が離れたとき酸欠で頭がくらくらするほどで、私は肩を息をする。
目の淵に溜まった涙が頬を濡らした。
眼前の玲二に視線を送ると目の奥に宿るのは男の欲望で。
私は息を切らせながらも背中に電気が走り去るように体を震わせる。
嫌じゃなかった。
初めてされたときは異なり、嫌悪感などまったく浮かぶことなく、むしろキスの甘さに酔いしれてしまった。玲二と混じり合うことにふわふわとした自分でもよく分からない気持ちが溢れてくる。
「……すげぇ可愛い顔」
言葉に頬を染め上げる。
可愛い、など初めて玲二の口から聞き心臓がはち切れそうだった。
虚げな私の頬を優しく撫で上げ、手の甲でくすぐる。まるで小動物の相手をするかのような優しげな手つきに胸がキュンと高鳴ってしまう。
一体どうしたのだろうか。
夢見心地のような私は自然と玲二の唇に自らのそれを合わせていた。素面ならば出来ないことだったが、この甘すぎる雰囲気に流されてしまっているのが自分でも分かっていたのだが。