俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 全身が鉛のように重い。
 睡眠時間が足りないのか体の隅々が悲鳴をあげており、怠くて仕方がない。

「……っん」

 私は瞼の裏にからでもわかる太陽光の眩しさに呻き声を上げた。眉間に皺を寄せ、ゆっくりと瞳を開けると記憶にない天井が目に映る。

 そうだ、私は昨日この家に引っ越してきたのだ。
 寝ぼけ眼で隣を見つめると、そこはもぬけの殻で。ひんやりとしたベッドに頭を傾ける。

 昨日、私は玲二と初めて交わった。

 正直に言えば、すごくよかった。
 気持ち良すぎて、途中からは記憶がないほどに。

「うわぁ……私……玲二さんとシちゃったんだ……」

 独り言が部屋の中に響く。
 言葉にして改めて状況を理解し、頭を抱えた。

 最初は玲二から仕掛けてきたものの、キスに翻弄されて気が乗ってしまったことにより、最終的に誘ったのは私だ。
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