俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「最初は抵抗してたのに、流されやすすぎでしょ私……」
自分で言うのもなんだが、身持ちは固い方で。今まで付き合った彼氏以外とは肉体関係になることなどなかった。
玲二とはたしかに夫になったのだが所詮、仮面夫婦であるはずなのに。
「今後、どうやったら顔合わせたらいいの……」
長年幼馴染だった男と一歩踏み出してしまい、気まずさが込み上げる。
同時に昨夜の玲二の姿を思い出して頭が沸騰する思いだ。
「……というか、玲二さんは?」
ベッドを飛び出し、リビングルームへと移動するものの、誰もいる気配はなかった。
仕事か。
月ノ島での仕事に忙しい玲二が昨日と今日、立て続けに休みを取れるとは思えない。
そう結論づけた私の視界の中に見覚えのないものが映る。
それはテーブルの上に置いてある一枚のメモ用紙で。
文字を目で追うのだが、衝撃的なことが書かれておりーー。
「…………は、はい!?」
素っ頓狂な声を上げてしまった私は思わず口を押さえる。