初恋は海に還らない




 ──現在、私は理玖と結婚を前提に同棲している。


 洸が亡くなった事で、お互いの傷に触れぬよう、一度私達は疎遠になった。


 しかし、理玖が美容専門に通うのに上京したことがきっかけで、また連絡を取り始め今に至る。



「都、まだ?」
「はーい」




 毎年洸の命日になると、二人で海辺の街へ墓参りに行く。
 私達はあと二年で、洸の年齢を追い越してしまう。



< 103 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop