初恋は海に還らない
かき氷で深まる本音
祖父母の家に来てから一週間が経った。
あれから私は毎日、朝起きて朝食を取ると、身なりを整えすぐに洸の店に向かっている。
洸の店は本当にしばらくの間予約が入っていないらしく、洸が細かい作業をしている横で持ってきた本を読んでいた。
洸の真剣な横顔はとてもかっこよくて、会話がなくてもそれを見れるだけで価値を感じる。
そして、そんな姿を見るうちに、私も出来る事は手伝おうと、掃除を担当することになった。
店内の掃き掃除を終え、店の前も掃いてしまおうと入り口のドアを開けると、今日も夏の青空が広がっていて、遠くから波の音と鴎の鳴き声が聞こえる。
箒とちりとりを持ったまま潮風を堪能し、深く深呼吸していると、ふと視線を感じた。