初恋は海に還らない
鼻の奥がつんとする。次第に視界が潤み、雫となって目から溢れ、ぽろりと私の頬を伝う。
洸は黙って私のその様子を真っ直ぐに見つめていた。
「…………だって、クラス中から無視されてるなんて……私に何か問題がある以外ないと思われても仕方ないじゃん」
「都」
「不登校ってだけで迷惑なのに……これ以上お父さんとお母さんに幻滅されたくない……」
情けない私の本音に、洸がピクリと反応する。そして、それと同時に、私の両肩が力強く掴まれた。
「するわけねーだろ!! 馬鹿なのか!!」
「ひぇっ」
洸の額には青筋が浮かんでいて、怒っていることが手にとるように分かる。あまりの声量と迫力に涙も止まってしまった。