初恋は海に還らない
「お前の親は、娘が自殺するほど苦しんでるのに、その理由を知って幻滅するような親なのか? だとしたら殴って根性叩き直してやる」
「そ、そんなことない、だけど」
「死ぬ勇気があるんだ。本当の勇気の使い所はここだろ都」
洸は私の肩を力強く叩く。
「ここまで育ててくれた親はお前の味方だ。勇気を出せ」
「……本当に?」
「それに、俺もいる」
「……洸も?」
「ああ、俺だって、何があっても都の味方だ。当たり前だろ」
満点の星空が私達を照らす。私は洸のシャツに震える手でしがみ付き、嗚咽した。洸はそれを受け止め、私の髪の毛を優しく撫でる。