君の隣だから、笑顔。〜あまのじゃく男子は、いつもイジワル〜
私たちの班が使うテーブルは、先にいた男子たちによって占領されていた。
唯一、それに混ざらずノート整理をしていたらしい鐘原くんと目が合った。彼は肩をすくめて、困ったように笑った。

何をして遊んだのか。
散乱する、おびただしい小さな消しゴムの数といったら。

「ちょっと、そこ、私の席なんだけど?」
他の班から来た男子が私の席に座っていて、私はムッとして指さした。

「いいじゃん別に。まだ授業は始まってませぇーん」
その男子がふざけたように言って、他の男子たちが湧いた。
「そうじゃーん、まだ自由時間だぜ?
そう…自由! 俺らには座る場所を決める権利もないというのかぁ! 」
「あはははは! お前、言えてる!」

もう……! なんで男子ってこんなに子供なの?!
私は真っ赤になって、その場に立ち尽くしていた。すると……、

「あんなぁ…もう先生来たぞ? 帰った方が身のためだぜ?」

私の席の隣でいた瀬凪が、足を組んで男子たちを一喝した。
「委員長、急にどした?!」
「瀬凪ぃ?」

瀬凪が急に真面目なことを言うから、私は驚くしかない。
それは男子も同じようで、目をぱちぱちとしばたいていた。

「ほら、座りなさーい! そこの男子!」
とそこへ、タイミングよく先生の鶴の一声。
「げ、委員長の言った通りだったわ」
男子がその声におされ、ぞろぞろと帰って行く。
瀬凪が、その様子をみて満足したように息を吐いた。

「ほら、如月」

「は、はぁ……?」
おっかなびっくり、席に着く私。

何かあったのかなあ……。
ちらりと瀬凪を見る。でも、彼はいつもと変わらない様子で、頬杖をついていた。

不思議に思いつつも、授業が始まっちゃったから、何も聞けなかった。
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