君の隣だから、笑顔。〜あまのじゃく男子は、いつもイジワル〜
テーブルの上に置かれた、記憶と同じままのマッチを見て、私はヒイッと仰け反った。

「誰が最初にマッチこする? じゃんけんで決めようぜ!」
そんな私の気なんて知らない瀬凪が、そう言って拳を出した。

「そうね。賛成よ、瀬凪くん!」

「僕は何でもいいんだけど……」

「勝った人が最初にやるってことで」

絶対反対、勝ったらマッチをすらなきゃいけないんでしょ?
ていうか、勝ったらするとか、みんなの目を見たりとか…みんなマッチをすりたいんだな、って悟った。

私は涙目になりながら、手をスっと出した。

最初はグー、ジャンケンポン。

結果は…瀬凪の一人勝ち!

「っしゃー、俺の勝ちぃ!」

瀬凪が、グーを出したまま上へと突き上げた。そんなに嬉しいのか。私には一生理解できないけど。
まぁ……これで、マッチはすらなくていいはず!

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