君の隣だから、笑顔。〜あまのじゃく男子は、いつもイジワル〜
ドクン……

心臓が、ドクンと鳴った。

優空ちゃん、なんて言った?

瀬凪が………

好き?

「実行委員て、委員長と副委員長と一緒にやるのよ。瀬凪くんは委員長で、私は副委員長。だから、みゆうちゃんが入って協力してくれたらな…って!」

そう言って、じっと私を見てくる優空ちゃん。
私は驚きすぎて、話の流れについていけなくって。
「ストップ!」と、両手を出した。

「え…ちょっと待って…優空ちゃん、瀬凪が好きなの?!」

……なんでこんなに動揺してるの、私。

胸に手を当てなくても、伝わってくる、心臓のドクドクという激しい鼓動。

その感覚の理由がよくわからなくて、戸惑った。
その理由を、探して、探して……。
あ、そうだ。

ーー瀬凪があんなに性格悪いから、優空ちゃんを心配してるんだ。絶対そう!

そう言えば、優空ちゃんてやたらと瀬凪を優遇してたような……?

委員長に、瀬凪を推薦したり。瀬凪を褒めたり。思い当たる節は、沢山あった。

今までの違和感の数々が、つながっていく感覚。

そっか、好きだったから、かぁ……。

それですっきりしたはずなのに……。何故か、心に、なんとも言えないような虚無感が残っていた。
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