六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
いつの間にそんなことになってるの⁉ 第一、私が一位になれたことなんてないよ。
私は万年二位だから。
「……そうなのか?」
ダウナー晃くん、登場。死んだ魚の目になっているよ、晃くん。すごく面倒くさそう……。
私と晃くんの仲をワケ知りな巽は、くすくす笑いをかみ殺している。
「カオ良くて頭よくて運動神経よくてって、お前どんだけ持ってんだよ」
晃くんと巽に寄って行った男子たちに、一瞬思うことがあってしまった。
けど、交流がない体(てい)を貫かなくちゃ。
晃くんや巽にまた心配させちゃう。
「んで⁉ 司からは一言ないの? 次は勝つ! とか」
「え? えーと……」
急に話を振られてびっくりしていると、晃くんがそう言って来た男子の頭を軽く小突いた。
「だから、前から言ってるけど司とは争ってるわけじゃねえから。可哀想だろ、巻き込むなよ」
司。人前で晃くんは、私を苗字で呼ぶ。
同じように私も「雪村くん」って呼ぶように心がけている。
……なんか他人行儀で、違和感しかないんだけど。