六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
「えー。こんだけ一位二位独占しといてそんな感じなの? もっとこう、ライバル視するとこないの?」
「ねーよ」
一刀両断した晃くんにまだ不満げな顔をする男子もいるけど、私は少しほっとしていた。
ちらちら女子から向く視線がね、ちょっとよろしくない感じのもあったから。
晃くんから否定してくれたから、そんなにいちゃもんつけられないと思うけど……お礼お夕飯がんばろ。
「咲雪ちゃん、お願いあるんだけど、いいかな?」
琴ちゃんが可愛い声でそんなことを言って来た。断わるわけがない。
「なに?」
「琴、下から数えた方が早い順位だったの……。ちょっと勉強教えてほしいんだけど……今から少しだけいいかな?」
「うん。どの教科?」
琴ちゃんに先導される形で、凛ちゃんも一緒に教室に戻る。
ライバルネタで晃くんに迷惑をかけなかったことに、内心ほっと息をつきながら。