六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】

琴ちゃんの席に集まって、琴ちゃんの返されたテストで間違った部分を説明すると、わかった瞬間に顔をぱあっと明るくしてくれる。


教える側としては嬉しい反応だなあ。


凛ちゃんの得意科目は歴史で、特に世界史は抜群。


私の問いかけに凛ちゃんが先に答えると、琴ちゃんは悔しそうな顔をする。


……すごく、あったかい時間。


実を言うと私、晃くんのことがなくても、友達を作るのがすごく苦手だった。


私の家庭はちょっと変わった家庭に分類される方で、私は父親というものを知らない。


存在はしているらしいけど、会ったことはないし、会いたいとも思わない。


田舎と都会の混じったこの街でなくても、そういう家庭環境の話を尾ひれがついて飛んでしまう。


私は奇異の目で見られていて、小学生の頃友達になりたいと思ってクラスの子に近づいても、うまくいったことがなかった。


一人だけ、小学生の頃、それこそライバルのような関係で、成績を競っている子はいたけど。


向こうの家庭の事情で四年生の頃に転校して、それっきりになってしまった。


巽は保育園からずっと一緒だけど、友達という感覚はあまりない。


今は解消されているけれど、うちと藤沢の家は因縁のある家同士だったから、話すことがあれば話すクラスメイトって感じだった。


小学校や中学校では同学年に複数のクラスがあったけど、巽とは全クラス一緒で、いつの間にかお互いを『幼馴染』って言うような関係になっていた。

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