六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
厳島先生は、意志の強い若い美人な先生。
背が高くクールビューティーな先生は、男子からも女子からも人気で姉御的存在として見られている。
凛ちゃんみたいに『姐(ねえ)さん先生』って呼んでる女子もいるくらい。
私はクラスの数学科担当だから、厳島先生の用事を受けることはよくある。
「失礼します。司です――?」
語尾がヘンな感じになってしまった。
だって、準備室にはさっき別れたはずの晃くんもいたから。
……なんで?
椅子に座ってタイトスカートからのびる綺麗なおみ足を、これまた優美に組んだ厳島先生と、その前に立っている晃くんはだるそうな顔。
「さゆ、バレた」
「へ? ばれた??」
なにが? って、今晃くん、「さゆ」って呼んだ?
厳島先生はゆっくりと腕を組んだ。
そして大きく肯きながら続けた。
「いやあ厳島先生びっくりしちゃったよ。毎朝通勤途中に咲雪ちゃんの家の前を車で通るんだけど、今朝は咲雪ちゃん家から雪村くん出てきたからさ」