六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
「ただ、ライバル扱いされてる二人が同居するほど仲がいいとはね。なんか進展あったら教えて?」
「……?」
進展? なんの? 私が訊き返す前に、晃くんの声が飛んできた。
「厳島先生。下手にさゆに近づくと親友二人にころされますよ」
「それは怖い」
私の目の前から離れて、肩をすくめる厳島先生。
……それ言うために呼んだのかな?
「先生? 何かご用だったんじゃ……?」
厳島先生は、また私たちの方を向いて椅子に座り直す。
「いや、雪村くんからは聞いたけど、本当かどうか確認したくてね。それだけだよ」
「……そうですか……」
特に用があったわけじゃないんなら、凛ちゃんたちのとこに戻らなきゃかな……。
「先生、ここで弁当食って行ってもいいですか?」
いきなりそう言ったのは晃くんだ。
「昼ごはんか? 友達んとこ行かなくていいのか?」