六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
呼ばれて、階段を二段ほどあがっていた足を停めた。
「うん、そうだよ」
私のことを知っている人? 同じ学年だから顔くらい知られていてもおかしくないか。
「成績、すごいね。二位とか」
「あ、あはは、ありがとう?」
すごいのは晃くんの方だよ、と思うけど、晃くんとは友達ですらない体を装っているから名前を出すこともできない……。
「あのずっと訊きたかったことあるんだけど、いい?」
「? うん」
私に?
「……司さんって、彼氏、いる?」
「いないよ」
「え、……」
「彼氏なんていないし、いたことないよ?」
なぜか口を半開きにして固まってしまったその男子にどうしたものかと困っていると、
「……途中でなに固まってんの? 邪魔」