六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
いきなり、晃くんに腕を摑まれた。
晃くんはソファに座ったままだから、身体が斜めになった。
「ごめん、さゆ。お願いだからここにいて」
「へ? いや、こんな雨だから外へ行く用事もないけど……どうしたの?」
「………」
晃くんは答えず、ぎゅっと目を瞑って口を結んだ。
こう、くん?
「あの……本当に大丈夫? わっ⁉」
心配になって、顔をのぞこうと身をかがめた瞬間。
「ごめん、雷、聞こえなくなるまでだけだから……」
こ、晃くんに抱き込まれた……?
晃くんの両腕がガッチリ私を抱きしめていて、晃くんの声は顔の横から聞こえてくる。
………。
「何か、怖いことでも思い出しちゃった?」