六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
成績は群を抜いているし、ルックスはモデルさんにスカウトされたことがあるほど。
興味ないってその場で断ったみたいだけど。
晃くん自身は部活には入っていないけど、バスケ部の親友の練習相手も出来るほどに運動神経もいい。
そんな晃くんと仲良くなったのは、お母さんたちがきっかけだったりする。
晃くんとは中学一年のときに同じクラスになった。
私も晃くんも家族は現在、お母さんしかいない。
保護者会で知り合った私のお母さんと、晃くんのお母さんの奏子さんは意気投合して、一緒に会社まで立ち上げてしまった。
それ以来、家族ぐるみの付き合いという関係だ。
私とお母さんは、亡くなったおじいちゃんとおばあちゃんが暮らしていた家を継いでいて、晃くんと奏子さんは近くのマンションに住んでいる。
「そういや、巽には言っていいんだっけ?」
「うん。巽なら全部知ってるから」
巽というのは、藤沢巽(ふじさわ たつみ)。
私の保育園からの幼馴染であり、晃くんとは中学からの親友の男バス部員だ。
竹を割ったようなサッパリした性格で、いい人の塊みたいなやつ。
「こ――相馬や三科にも話していいけど?」