六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
う……。
私のたった二人の大事な友達、相馬凛ちゃんと、三科琴ちゃん……。
「うーん……凛ちゃんも琴ちゃんも言いふらしたりはしないと思うんだけど、こう、秘密の共有者にしてしまうのが申し訳ないというか……」
凛ちゃんとは中学から一緒で、琴ちゃんは高校で同じクラスになって友達になった。
学校では三人でいることがほとんどだ。
百六十八センチの身長で、ショートカットが似合う凛ちゃんは男前系。
平均身長の私より少しだけ背が高い琴ちゃんは学校ではよくポニーテルにしているんだけど可愛い癖っ毛で先端がくるっとまるまっている、ふわふわした天使みたいな子。
二人にも秘密にしている理由は、まだ私が凛ちゃんと友達になる前に起こったから、どちらにも晃くんのことは話せていない……。
「無理にとは言わないよ。もうさゆをあんな目に遭わせたくないしな」
フォークを置いた晃くんは、テーブルの上で軽く腕を組んで優しい顔で言ってくれる。
私は少しだけ視線を下へ向けた。
……あんな目、と言うのは、いわゆるいじめだ。
中学一年生の、凛ちゃんと友達になる前で、晃くんとはお母さん同士が友達だけど私たちは特別仲いいわけではないクラスメイト程度の認識しかなかった頃。
どこからか、私と晃くんが付き合っていると噂が流された。
そして女子の集団に呼び出されて水をぶっかけられた。
びっくりして固まっていたら罵詈雑言の数々……。
私がその子たちに連れていかれるのを巽が見つけてくれていて、助けに入ってくれた。