六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】
巽と幼馴染っていうのは隠していなかったから、巽に諫められて、ついでに私たちが付き合っている事実はないと言ってくれた。
晃くんの親友にそう断言されれば、信じないわけにはいかなかったのだろう。
それで引いてくれた。
……ただ、それ以来女の子と、どうすれば友達になれるのかわからなくなっちゃって……一人でいたところに声をかけてくれたのが、凛ちゃんだ。
巽が助けてくれた件は後になって晃くんにも知られて、お母さんについてお互いの家を行き来するようになったあたりで、晃くんの方から、仲いいことは周りに伏せようと言われた。
言われたときは戸惑ったけど、お休みの日や家では仲良しの晃くんとお話出来るから、わかったと答えた。
晃くんに心配をかけるのも嫌だったから。
「……少し、様子を見たいと思う。まさかだけど、二人をいじめの対象になんて絶対したくないから」
凛ちゃんと琴ちゃんを、私の巻き添えにしてしまうなんてことはあってはいけない。
「ん。そっちの判断はさゆに任せる」
穏やかな顔で頷いてくれた晃くん。今日も優しいなあ。
それから、晃くんが朝ごはんを用意してくれたから、晃くんが身支度をしている間に食器を洗って、お弁当の準備をする。
晃くんがごはんを作ってくれている間に、私は準備を済ませているから。
このあたりの分担は、昨日決めておいたんだ。