六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【リメイク版】

「晃くん、お弁当」


「ん? ああ、ありがとう」


先に家を出る晃くんに、玄関でお弁当の包みを渡す。


鞄に入れているのを見て、ふと思った。


「今の奏子さんに見られたら、『あんたたちさっさと結婚しなさい』って言われそうだね」


「ああ……言いそうだな」


二人して苦笑いを浮かべる。


奏子さんはその手の冗談が好きなのか、よく晃くんと私をからかってくるんだ。


全然そんなんじゃないのに。


「いってらっしゃい」


「……行ってきます?」


疑問符つきの返事をして、晃くんはやっぱり苦笑いしながら家を出た。


うちから高校へは歩いて二十分くらい。


私は五分ほどしたら出る予定だ。
 

この土日はお母さんたちの出張の準備とかお見送りで凛ちゃんにも琴ちゃんにも逢えなかったから、今日は三日ぶりに逢えるんだ! 楽しみ~!

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