惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「お母さん、初対面で…それはさすがに……」


お母さんと一ノ瀬くんを交互に見る。


「お邪魔させて頂いてもいいですか?」


一ノ瀬くんには目で訴えたのに、その願いは届かなかったみたいで、一ノ瀬くんは王子様スマイルというものを見せた。


「まぁ!どうぞ、どうぞ。」


完全にお母さんのペースにのまれて、気づけば、私と一ノ瀬くんが隣、私の前にお母さん、一ノ瀬くんの前にお父さん、その横に慧という形でダイニングテーブルに座っていた。


机には何故かいつもより少し豪華なご飯。


「お父さん、慧、彼が一ノ瀬くん!」


お母さんから紹介されて一ノ瀬くんは優しく笑ってお辞儀をする。


というか、何……この空気感…


「君が!!イケメンで、性格も素晴らしいなんて…安心して叶愛を任せれるな。」
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