惚れたら負け─お前のこと好きになった─
正直に伝えると、慧は、は? と目を見開いた。


「何それ。告白と同じことしてんの分かってる?」


「分かって…ない。」


えっ、あの、一緒にいてよって……告白になっちゃうの?


で、でもっ、好きとかは分からないってちゃんと言ったよ…??


多分一ノ瀬くんも分かってくれたと思うんだけど…。


「まぁ、いいや。いや、良くないけど……そういう関係じゃないならいい。気をつけて。」


曖昧な慧の言葉に首を傾げる。


「ちょっと、何を話してるの?」


「あ、ごめん。」


お母さんに怒られてしまったから、慧との話はそこで終わってしまった。のだけど…今度は…


「母さん……いいかな、」


「……え、えぇ。」


お父さんとお母さんが真剣な顔つきで、話し出した。
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