惚れたら負け─お前のこと好きになった─

「はっ！？」


「本当かい！？一ノ瀬くん！あ、親御さんは？」


「父も母も海外で仕事をしていて、一人暮らしなんです。だから、大丈夫です。」


サラッと王子様スマイルをもう一度向けてみせる一ノ瀬くん。


「じゃあ、お願いします。」


2人揃って頭を下げて…って、私の意思はっ？


「ちょっと待って！俺は反対！！」


声を荒らげて立ち上がった慧。


良かった……。冷静な人がいて…。


「俺は信用出来ない。姉ちゃんを簡単に預けられるわけない。」


「慧、父さんと母さんがお願いしたんだ。大丈夫だよ。」


「はぁ？」


だけど、そんな慧はお父さんによって黙らされてしまった。


最後まで、納得はしていなかったけど……。