惚れたら負け─お前のこと好きになった─
なに、それ……。


えっ!?先輩、そんなこと思ってくれてたの?


それなのに私は、先輩は余裕でいいとか、完全に傷つけたよね?


「早乙女さん?」


「ごめんなさい。先輩…。」


「俺は早乙女さんの…笑った顔が好きだな。」


えっ、と、先輩の方を振り向いた瞬間、辺りの電気は全て消されて真っ暗になってしまったから、先輩の表情はよく見えなかった。


えっ!?えっ!?


ちょっと待って、このまま映画始まるのっ?
絶対集中出来ない!!


案の定、私は先輩の言葉が気になりすぎて、映画の内容には全然集中出来なかった。



「先輩…聞いてもいいですか?」


「映画始まる前に言った言葉??」


映画館から、お昼を食べるためにカフェまで歩きながら、思い切って先輩に尋ねた。
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