惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「えっと、どうぞ。」


「お邪魔します。」


一ノ瀬くんも、緊張してるのかな…そうだよね。


「大丈夫?あの、部屋は2階の青い札がかけてある所を使ってね。」


「ん。ありがとう。」


「あとっ!一ノ瀬くん…ご飯食べた?良かったら一緒にどうかな?」


階段を上る一ノ瀬くんの背中に投げかけると、振り向いてから私の目をしっかりと見て、彼は笑った。


「食べたい。」


「すぐ準備するね!」


…どうしよう。すごく嬉しい。


それにあの笑顔はずるいよ…。みんなの王子はさすがっていうか…。破壊力MAXだね…。



──「いい匂い。」


少し経って、1階へおりてきた一ノ瀬くん。


「どうぞ。」


少しばかり照れくさい気持ちを隠して、ダイニングテーブルに座ってもらった。
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