惚れたら負け─お前のこと好きになった─

1人…か。


「ごめんね、早乙女さん。俺この後バイトあって。」


唯一声をかけてくれた今井先輩は申し訳なさそうに眉毛を下げた。


「全然大丈夫です。お疲れ様でした！」


大丈夫。今日は時間にも余裕があるし1人で出来る。


私は張り切って司書さんに案内された資料室へ入った。


…だけど…資料室を見て私は目を疑った。


あちこちに本や資料が散らばっていて、本棚もぐちゃぐちゃ。


想像以上に時間かかりそう。


早くとりかかろう。


私は地面に落ちていた本に手を伸ばした。