惚れたら負け─お前のこと好きになった─
─目が覚めると、私の視界に入ってきたのは、いつも朝起きた時に見る天井。


……ここ、私の部屋…?


あれ?私は、どうしてここに…


「叶愛。」


一ノ瀬くんの声がして、記憶が流れてきた私は、バッと勢いのままに起き上がった。


「い、ちのせくっん、」


「ごめん、やりすぎた。」


怒ってるよ。だって、好きでもない相手に突然あんなことするんだもん。


だけど…そんな顔されたら、怒るにも怒れないよ…。


「い、いよ。だけど……あんまり好きじゃない人にしない方がいいよ?」


「はぁ…」


え、何でため息なんか…。


「ほんとさ、何回好きって言えば分かんの?俺、好きな人以外に絶対こんなことしねぇから。」
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