惚れたら負け─お前のこと好きになった─
わ…やっぱり…男の人って力凄い…。


「重くない?大丈夫?」


「全然平気。」


「そっか、ありがとう…。」


全然平気だと言われても、ずっと持たせてしまうのはなんだか申し訳なくて、私は急いで他の買い物も済ませた。



─「帰ろう、一ノ瀬くん」


「りょーかい」


砕けた返事を返した一ノ瀬くんは多分これが平常運転。


暑さや人混みをさけようとなるべく裏道を通って家へ向かう。


あまり会話が進まなかった中で、一ノ瀬くんが思いついたように呟いた。


「そうだ叶愛、夏休み何したい?」


私のやりたいことを聞いてるんだよね、一ノ瀬くんは、、


うーん、と、、


「夏祭り行きたい!あと、手持ち花火もやってみたいかもっ!」


いかにも夏!って感じじゃない!?


一ノ瀬くんにそう目で訴える。
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