惚れたら負け─お前のこと好きになった─
そうしていると、頬を赤らめた一ノ瀬くんは、私から目を離した。


「……あー、くそ、抱きしめてぇ…」


抱きしめ…??って、いつも散々抱きしめてくるくせに…


なに、冗談言ってるんだか。


「もう、冗談いいから行くよ」


「冗談じゃねぇって」


一ノ瀬くん、、そういうこと言わなければかっこいいのに…………って違うか、、ほかの女の子たちはこういうこと言っても、キャーキャー言うのか、


「てか叶愛、課題どこまで進んだ?」


「あっっ!!課題!!」


待って、パラって見てみたけど、数学と英語がちょっと………


「ま、まだ、夏休み初日だよ!?」


「俺終わったけど」


は……?え?どうしたらそんなに早く終わるの!?


唖然として、口を開けたままの私を見て、一ノ瀬くんは満足そうに微笑むと、1人勝手に歩き出す。
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