惚れたら負け─お前のこと好きになった─
時刻は午後3時。確かに映画館に行けない時間ではない。


「いいよ、出かける準備してくる」


「待って叶愛、違う」


「へ?」


「アプリをテレビに繋げて見んの。」


「あ、あぁ!なるほど!」


私ったら、とんだ勘違いを……


よく考えたら、今令和だもん、そりゃあそうだ、、、


ちょっと……恥ずかしい…


「何見たい?」


「えっと、、特に希望は…」


って、今の可愛くない??何か捻り出した方が良かったかな、!?


「……じゃあ、これで」


低めの声でそう言った一ノ瀬くん。


何にしたんだろう……??


設定を完了してこちらへ戻ってきた一ノ瀬くんは、そっと私の隣に腰を下ろした。


そして、、動き出す画面……


黒い背景……不穏な音……誰かが逃げているような息遣い……
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