惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「怖かったら、俺にしがみついてて」


「怖いからずっとしがみついてるよ!?」


そんなの嫌でしょ?迷惑でしょ??


一ノ瀬くん黙ってるし、ほら、やっぱり私は離れて……


なんて思っていた時、一ノ瀬くんが私を思いっきり抱きしめて、その上私の肩に額をつけた。


「想像したらやばい、ずっとそれでいい。」


っっ!!


い、一ノ瀬くんってほんとに何言ってもきかないな……


「は、早く見よう」


大丈夫、本当に怖かったら目を逸らせばいいんだから。


一ノ瀬くんに離して貰えないまま、私は前を向く。


「見るんだ笑」


一ノ瀬くんの声が耳元で聞こえて、心臓がとくんっと跳ねる。


一ノ瀬くんに早く見ようなんて言っちゃったけど、もう無理かも…


おかしいおかしい、なんで初めからこんなに怖いの…
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