惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「…女の子の……日なの。」


女の子の……日。


俺の脳裏に母さんの言葉が蘇ってくる。


───『いい?煌空。女の子はね!月に1回辛い時があるの!』


『煌空に大切な子が出来たら、その日は特に、とことん尽くしてあげなさい。無条件に優しくしてあげなさい。』


当時、小学生だった俺には、その言葉の意味がよく分からなかった。


だけど、もう高校生だ。さすがにちゃんと分かっている。



───「叶愛、何か欲しいものとかあるか?」


「…えっ、?」


「なんでもいいよ。買ってくる。」


他の女にするなら、気が進まないけど、叶愛が相手なら……自分から、いろいろしたい、と思える。


「………薬と、、あと、ホットミルクが飲みたい。」


「分かった。ホットミルクは家で温める。」


「……ありがとう」
< 154 / 176 >

この作品をシェア

pagetop