惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「あんた何言ってんだ」


私が声を出すよりも先に一ノ瀬くんがしーくんを睨んで、私を自分の後ろに隠す。


えっと……私、どうしたらいいの!?


なんて言うのが正解??


考えさせてください?ごめんなさい?


いや、そもそもしーくんは本気で言ってるの??


「……まぁとりあえず返事はまた今度聞かせて貰うよ」


「………う、ん」


「叶愛、俺本気だから。それだけは信じて」


……本気………


つまり、しーくんは本気で私にこ、婚約を申し込んだってこと……


って、、え、


待って、本気ってどういうこと!?


ね、しーくん!ちょっと待って…


状況をよく理解できなくて、しーくんを呼び止めようとしたけど一ノ瀬くんが私の前に手を出して、それを阻止した。


だから私は……ニコッと口角を上げてから、去っていくしーくんの後ろ姿を、ただ見つめていることしか出来なかった…
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