惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「えっ、」


「なんなんだよ…お前。」


力が強くなっていくその腕は、びくともしない。


「もう勝負終わり。」


はいっ?


「待って私、一ノ瀬さんのこと好きになってないです!」


「違う。俺の負けだ。」


どういうこと…?私はもう一ノ瀬さんの事好きにならないって思ったのかな?


だから諦めたとか?
いやでも、この人に限ってそんなことは…


「お前のこと好きになった。」


え……


今、なんて言った…?聞き間違い…?


「あの、今…なんて…」


「お前のこと好きになったんだよ。初めてだ。こんなの…」


好きになったって…あの恋愛感的な意味…??


「恋愛感情…なわけないですよね…?」


私を好きになるような人なんて居ないはず…


「それ以外に何があんだよ。」
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