惚れたら負け─お前のこと好きになった─
当の本人は、私と同じように男子の列の1番後ろに並んでいる。


「じゃあ、最後早乙女さん、どうぞ。」


私は一つだけ残ったくじを開いた。


「7番……」


窓側の1番後ろだ…。


混み合う前に机移動しちゃおうと思って、机を動かしていると、後ろから肩をたたかれた。


ん?文香ちゃん?


と思って、振り返るとそこには一ノ瀬くんが立っていた。


「叶愛どこ?」


「えっ、あ…窓側の1番後ろ…です。」


小さい声でそう伝えると、一ノ瀬くんはくじの紙を広げて私の前に出した。


14番…隣…だ…。


びっくりして一ノ瀬くんの顔を見上げると、一ノ瀬くんは見たこともないくらい優しく口角を上げた。


そして、当たり前のように私の机を運んでくれて…。自分の机もその隣に置いた。
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