惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「"彼"じゃないんだよ?だから大丈夫。」


「分かってるんだけど…」


私が一ノ瀬さんみたいな人と関わるのが嫌な理由は、中学生の時に色々あったからで…


それがトラウマとして根付いてしまった今、そんな(モテ男子)という類の人に会うと、勝手に拒絶反応が出る。


「ごめんね。私助けてあげられない。5組だったの。クラス離れちゃった。」


5組…は、確か違う棟。会いに行くのも結構大変…。


でも、頼ってばっかりじゃダメだもんね…。


「私、1人で頑張ってみるね。」


「うん!叶愛ならきっと大丈夫!!」


「ありがとう。」


優しい笑顔で背中を押されて、私は1人、教室へ向かった。

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